森が燃えていました。 森の生きものたちは われ先にと 逃げていきました。 でもクリキンディという名の ハチドリだけは いったりきたり 口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは 火の上に落としていきます。 動物たちがそれを見て 「そんなことをして いったい何になるんだ」 といって笑います。 クリキンディはこう答えました。 「私は、私にできることをしているだけ」 これは、『ハチドリのひとしずく(※)』という本のなかの言葉。ただ自分にできることをひたすらしているのが、ハチドリのクリキンディだ。そんなハチドリのように「想いを持った人たち」が集い、つながり、そして語り合える。そんな場所が、広島にある──。 Social Book Cafe「ハチドリ舎」だ。 ※ 『ハチドリのひとしずく いま、わたしにできること』 辻信一/監修 木製の家具や小上がり、カラフルな装飾で彩られた店内。すべて手づくりだというお店