(中編 からの続き) 季長は 鎌倉へ直談判に行く決意をした。 周囲は仰天し、季長の主張に対して反対する。 しゆえの御房 『何をバカな!? そのような事をしても無駄に 決まっておろう!旅費はどうするのじゃ!?』 季長 『馬と鞍 (くら。騎乗する際に下に敷く馬具) を売ります』 親族 『馬鹿者! 命より大切な馬を売るだと!? 次の戦が起こったら何も出来ぬでは ないか!?乱心もいい加減にせい!!』 母 『季長… 私はお前が無事に戻って来ただけで 満足じゃ。周りが何を言おうと気にする 事はない。鎌倉に行くでない。お願いじゃ…』 季長 『母上… 私は、このまま黙って座する訳には いかないのです。この訴えが通らなかったら、 出家 (しゅっけ。坊さんになる事) してここには帰りませぬ!』 1275年(建治元年) 7月4日 06:00 季長 『弥二郎、又二郎、行くぞ! 何を後ろばかり見ておる!』 弥二郎