不正会計問題に揺れる東芝相談役の西室泰三氏(日本郵政社長)は7月21日夜、首相公邸で開かれた座長を務める「戦後70年談話に関する有識者会議」メンバーの夕食会で、安倍晋三首相にこう告げたと伝えられている。 「東芝は(私が)責任を持って再生させます」―― 今回の不祥事は一企業の枠を超え、安倍政権の看板政策であるアベノミクスに泥を塗りかねない。西室氏は安倍首相の不安を必死に打ち消そうとした。社長・会長として長きにわたり東芝のトップを務めた西室氏は、現在でも同社幹部の間で「スーパートップ」と呼ばれるほど、強い影響力を持っている。 東芝の不正会計問題は、今秋に株式公開を控える日本郵政グループ3社の経営にも微妙な影を落としている。日本郵政は東芝常任顧問の村岡富美雄氏を社外取締役に迎え入れようとしたが、6月26日の日本郵政株主総会当日になって総務省から待ったがかかった。東芝の不正会計を調査する第三者委員