だってそうだろう。 大谷翔平に、ポケモンカードで負けたら、自殺するしかない。 俺はそう思っている。そうとしか思えなくなった。 今、俺の目の前には大谷翔平がいて、カードショップ特有の過剰すぎる芳香消臭剤のニオイの中、デュエルスペースに座っている。 俺は、こいつに勝てなきゃ、自殺するしかない。 大谷翔平が、ポケモンカードの大会にいる。 岩手の田舎、イオンの片隅にある、ブックオフとカードショップが一緒になったようなスペース。人通りもまばらな店の、地味に開催されている、全国予選の予選みたいな小規模大会に、いる。 最初は俺も見間違いだと思った。でも間違いない。ネットの画像とかテレビのニュースでしか見たことのない俺でもわかる。あれは大谷翔平だ。 まずデカい。そして分厚い。少なくともカードショップに来るような体型ではない。さすがに帽子とサングラスで顔はよく見えないが、シルエットだけで一般人ではないことが
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