(文 井上英樹 / 写真 松田正臣) 彼は平凡な選手だった。日本代表選手でもなく、競技が好きでたまらないというわけでもない。「アルティメットはいつやめてやろうか考えていた」とさえ言う。だが、2014年の大学卒業を控えた大川晴さんは、アルティメットという競技で、コンゴ代表監督に就任した。これから3年間かけて代表チームを育成し、世界大会に出場しようと目論んでいる。「就職する気、満々だったんですけどねえ」と大川さんは笑う。なぜ、こんなことになったのだろうか。 日本語教師としてコンゴへ。 アルティメットはアメリカンフットボールとバスケットボールを組み合わせたような競技で、フライングディスク(いわゆるフリスビー。フリスビーは商品名)を使う。7人1組で行い、フォーメーションプレーを主とする。強豪国には日本、アメリカ、カナダが名を連ねている。 「大学から始めましが、アルティメットってフォーメーションがキ