創造的緊張(クリエイティブ・テンション) 2018.07.02 中村 香 本稿の読者の学修は順調に進んでいるであろうか。通信教育課程で学ぶ学生の多くは社会人として働いているため、学修時間の確保等が難しいのではないだろうか。学修が捗らない人への一助となればと思い、「創造的緊張(クリエイティブ・テンション)」という考え方を紹介したい。 創造的緊張とは、組織学習の第一人者であるピーター・センゲが説く、自らのビジョン(ありたい姿)と現実との乖離を創造的エネルギーの源と捉える考え方である。ビジョンを描けば、例えば、「学士になりたい(ビジョン)」が、「忙しくて学ぶ時間を確保できない(現実)」とか、「教員になりたい(ビジョン)」が、「採用試験に受からない(現実)」というような、ビジョンと現実との乖離が見えて来るものである。その乖離をしっかりと認識し創造的緊張として維持することができれば、現実をビジョンに