初めて水商売に足をふみいれたのは、19歳と10ヶ月の時だった。 地方の高校を卒業し、東京で一人暮らしを始めた私にとって、東京の夜の街はキラキラと輝いていた。 お金に苦労していたわけではない。この夜の街の一部になってみたい。それは一種のミーハー心だった。 その店は、ガールズバーとキャバクラが半々の店だった。カウンターの中でお酒を作り、接客をするガールズバースタイルの部分と、卓が用意され隣に座って接客するキャバクラスタイルの両方があった。 「未成年ねえ。トラブルが起こると面倒だから、うちでは雇えないよ。」 背の高い、ぽっちゃりした普通のおじさんという風貌の店長は私の年齢を聞くと、眉を少しひそめそう言うと、ふうっと細長い煙を吐いた。 「でもまあ、こんな履歴書なんてご丁寧に面接に持ってきた子なんて初めてだし、真面目そうだから、いいか。」 履歴書の私の写真はスピード写真で撮ったものとはいえ、やけに神