日本の学界はマルクス主義やその亜種に支配されてきていて、ムラを形成し、この支配の掟に反する者をつまみ出そうとしている、という陰謀論のような議論(誇大理論)がある。要は、学界が左翼まみれになっている、というわけだ。 もちろん、学界では、政治的な意味では右派より左派のほうが優勢なのだろう。データはないだろうが、日本全体よりは自民党支持率は低く、立憲民主党や共産党の支持率が高い予感はする。 しかしそうした政治的意見の実際の分布以上に、学界が左に寄っているように見えてしまっている人が少なからず(少なくともTwitter上では)いるようだ。それはなぜなのだろうか。もちろん、単なる誤解や偏見なのかもしれない。しかし、そうだとしてもなぜそうした見方が蔓延るのか。単に誰かがそのような見方を煽っているというだけではなく、構造的にそのように錯覚してしまうところがあるのではないか。 結論を一部先取りすると、問題