まだ見ぬ世界を旅したいという夢がある。死んだ人にもう一度会いたいという願いがある。2002年に発表した短編作品「ほしのこえ」で高い評価を得たアニメーション監督の新海誠(38)が、07年の「秒速5センチメートル」から4年ぶりに作り上げ、5月7日に公開となる長編アニメ映画「星を追う子ども」は、誰も見たことがない世界を旅しながら、親しい人の生や死について考えていける物語。不安に沈みがちな人たちに、夢を抱いて生き続ける喜びを与える。 山間部の町に暮らす少女アスナの前に、アガルタという場所からきたと話す少年シュンが現れる。襲ってきた怪物から助けてくれたシュンにひかれるアスナだったが、彼はほどなくして姿を消し、悲しい知らせがアスナに届く。信じられなかったアスナは、新任教師のモリサキから神話世界アガルタの存在を聞き、あらゆる願いがかなうというアガルタへの旅を決意する。 ■あきらめず行動する 「何もかもが