原発の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査が進み、既に7原発の14基が新規制基準に適合するとされた。 安倍政権は「規制委で安全性が確認された原発について再稼働を進める」と強調する。しかしその規制委は、一定の地域内にある複数の原発が同時に事故を起こした場合のリスクについて、十分に審査してきたとは言いがたい。 同じ敷地内の複数の原子炉で同時に事故が起きることは想定しているが、近隣の他の原発でも並行して事故が発生する事態は審査の対象外だ。 そうした場合でも、電力会社は混乱せず、事故対応に不可欠な協力会社からの応援をしっかり得られるのか。自治体や電力会社が前面に立つ周辺住民の避難計画にも不安がぬぐえない。 当面の焦点は、福井県の若狭湾沿いである。 関西電力の3原発11基を中心に、14基もの原発が林立する。日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」など6基の廃炉が決まったが、関電の高浜原発1~4号機と大飯