なぜスターバックスや丸亀製麺は顧客に愛されるのか。その背景にあるのが、「CX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)」を重視したマーケティング戦略だ。先進企業はリアルとデジタルを交え、いかに新たなCXを創造しているのか。特集第1回では、取材を通して導き出した「CXを高める3つの要素」を解説していく。 CX(顧客体験)は古くて新しいキーワードだ。一般に、商品やサービスを購入する前段階から購入後まで、すべてのカスタマージャーニーにおける体験価値を指す。これまでのリアルな接点だけではなく、デジタルも活用してCXを向上し、顧客と感情的なつながりを深めていくことは、LTV(顧客生涯価値)の観点からもマーケターにとって最重要のテーマである。 ところが、だ。企業のマーケティング支援会社で「KARTE(カルテ)」を提供するプレイドのCXストラテジスト、藤井陽平氏は、こんな課題感を持つ。「CX向上の取り組み