昨日は、TCA サイクル活性化の結果合成されるイタコン酸が NRF2 の転写を介して炎症を抑え、グルココルチコイドの作用も実はこの経路を上昇させることで発揮されていることを示した、ドイツ・エアランゲン-ニュルンベルグ大学からの論文を紹介した。このように、代謝経路から発生する様々なメタボライトの影響は想像以上に大きい。 おそらく一般の人にもよく知られている例は、アルコール代謝によるアセトアルデヒドで、アルデヒド処理酵素が欠損している人では、悪酔いするだけでなく、DNA が修飾を受けて変異が入りやすくなったり、あるいはタンパク質のアセチル化により分解が促進されたりして、結果として食道ガンが発生しやすくなる。 本日紹介する論文 今日紹介する国立シンガポール大学からの論文は、糖代謝産物として発生するグリオキサールがガン抑制遺伝子 BRCA2 の分解を誘導して DNA 修復異常、そしてそれに続くガン
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