[Alex Tabarrok, “Improving But Not Learning by Doing,” Marginal Revolution, October 4, 2018] 名著『文化がヒトを進化させた』で,ジョー・ヘンリックは知性がもたらしたのではない複雑な技術製品や営みの事例をいくつも挙げている.そうした製品や営みを産み出したのは,仕組みをろくに理解しないまま文化的に世代をまたいで継承されてきた無数のささやかな改善の積み重ねだ.Derex et al. は,この文化的な世代継承仮説を検証するたくみな実験を披露している. 実験の参加者たちには, いくつかの重りがついた車輪が用意された.重りは4軸にそって動かせる.重りをうまく動かして車輪がレールを下る速度をできるだけ速くするのが,参加者たちの仕事だ.この問題はかんたんではなかった.最適な解決法には,重りを別々の位置において慣性
![アレックス・タバロック「テクノロジーの文化的継承:試行錯誤で学習…はしないけど改善はするみたい」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8d71ff5111e05619a10d29bb40d7aebaa75c8fbc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fs0.wp.com%2Fi%2Fblank.jpg)