■地中埋設物リスクとは 土地取引に様々なリスクが存在するが、そのなかで地下埋設物(杭、矢板、ガラ、埋設管、防空壕など)については取引当事者もつい失念してしまうケースが多い。しかし、近年になって土地取引後、地下埋設物が存在したことによるトラブルが増加している。例えば、取引後、買主サイドが建築構造物の新設工事で杭工事等を開始したところ、地中にコンクリート塊、ビニル片、電気コード等の産業廃棄物が大量に遺棄され埋まっていたとすると、当該工事を中断して産業廃棄物の除去を行なう羽目になる。このような事態に陥った買主としては、当該産業廃棄物のあったことは隠れた瑕疵に当たるとして、損害賠償請求をするだろう。現に地中埋設物をめぐっては隠れた瑕疵に当たるとした判例がいくつか出ている。 【東京地裁判 平成10.11.26】 7階建て分譲マンション建築目的で土地建物を買い受けた買主業者が、建物解体工事及びマンショ