サイボウズ社長の青野慶久さんが新刊を出版された。『会社というモンスターが僕たちを不幸にしているのかもしれない。』というユニークかつ長いタイトルである。 元々サイボウズはユニークな会社である。グループウェアの会社でありながら、「チームワークあふれる社会を創る」というビジョンを掲げる。昨年の創業20周年では、一企業でありながら「働き方改革」の旗振り役を自ら演じた。社長の青野さんも「選択的夫婦別姓」を主張し、いまや国民的運動の流れを先導されている。 そんな青野さんの書かれた本書は、企業を「モンスター」あるいは「妖怪」と表現し、働く人は、企業の言いなりになるなと主張する。企業は一つの仕組みであり実態がない。あるとすれば、企業を実質的に切り盛りする経営者の意思である。企業は経営者の意思一つで、いかようにも変わる。どんなビジョンや企業理念を掲げるのか。どんな価値観やルールで運営しようとするのか。それら