小説のタイトルの付け方を見て、これは上手だと思った。 コンビニは、convenience (便利) +store(店)の略。 便利な店であるはずのコンビニに、真逆の「不便な」を付けている。 このタイトルを見たら、「これは、何だろう?」「どういう話なんだろう?」と思ってしまう。気になって、手に取る。 最初の数ページを読み始めたら、続きが気になり止まらなくなる。 この小説は、そんな読者が多いのではないだろうか。 コンビニの店主である女性の携帯電話に、見知らぬ番号から電話が掛かってくる。 電話の主は、女性が落としてしまったポーチを拾ったことを伝える。 ポーチの中には、貴重品が入っており、失くしたり盗まれたりしたら一大事。 電車で移動中だった女性は、ポーチを受け取りに戻る。 ポーチを拾った男性は、ホームレス。 認知症で記憶が飛んで、本名も忘れて、「独孤(トッコ)」と名乗っているという。コンビニの女