タグ

ブックマーク / kotaism.livedoor.biz (9)

  • 完全現場主義(1) : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −

    今月発売の文芸誌『読楽』(徳間書店)で、松仁一さんと対談しました。 <完全現場主義>と題して、事実を取材して書くとはどういうことかということを話しています。 編集長と担当編集者の厚意により、全4、5回にわたって、ネットでも少しずつ内容を掲載していきますので、よろしければお読みください。 <完全現場主義> ■マスメディアが伝えないこと 松 新作の『津波の墓標』、拝読しました。 東日大震災関連では前作『遺体』(新潮社)も非常によかったのですが、今作にはより生々しい話がたくさん盛り込まれていて、個人的にはこちらのほうが引き込まれました。 石井 ありがとうございます。 松 印象的だったのは、はじめの部分に書かれていた「津波の臭い」という表現(第一話)。 津波の被害を伝えるとき、われわれは「瓦が礫れきが散らばる」など目で見えるものを真っ先に書いてしまう。 でも、あの瓦礫の山からはひどい臭いが

    完全現場主義(1) : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −
    terata
    terata 2013/01/27
  • 津波のにおい : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −

    戦場のにおいは、焦げ臭さと火薬臭が混ぜ合わさったものだ。 爆弾は家々を焼き尽くすし、銃は火薬をつかうので銃撃戦になるとそのにおいがたちこめる。 一方、津波のにおいは異なる。 津波は、潮と油のにおいである。 大量の海水や魚介類の死骸、そして車や民家から流れた油がそれらに混ざって重々しいにおいを漂わせる。 震災から1週間がたち、警察や消防士は、目に見えるところにある遺体をほぼすべて片付けた。 いまは土に埋まった遺体や、満ち潮とともに打ち上げられる遺体を集める作業に切り替わっている。 現在数千人の死亡が確認されているが、瓦礫の処理が進むにつれてどんどん新たな遺体が上がってくるだろう。 僕はこれらの遺体をすでに何十体と見たが(百以上いっているかもしれない)、どれも「津波のにおい」に満ちていた。腐った肉体のにおいではなく、なぜか津波のにおいがするのだ。 地中や海にずっと浸っていたことで、腐敗した皮膚

    津波のにおい : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −
  • 『飢餓浄土』刊行直前インタビュー : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −

    新刊『飢餓浄土』が明日より発売になります。 それに合わせてフリーペーパーと河出書房新社HP掲載のために、編集担当の武田君にインタビューを受けました。 以下、インタビューをそのまま掲載します。 ■神々しさ自体を露にする一冊 武田 昨年の春から河出書房新社のWEBマガジンで連載していただいた『飢餓浄土』が、いよいよ単行で発売されます。連載時の原稿を大幅に加筆修正し、書き下ろしを加えて一冊にしています。 一言で言い表すのは難しい作品ですが、敢えて簡略化して言うならば、石井さんがこれまで見聞きし体感してきた異国での噂・幻の深層を追い、そこで露になった貧困地・途上国の実像を描き出した、これまでの石井さんのとは別のベクトルでぶつかった一冊です。全四章・計一六の物語が収められています。 石井さん自身が、改めてこの『飢餓浄土』に流れる一の線を指し示すとなると、どのように言い表せるのでしょう? 石井

    『飢餓浄土』刊行直前インタビュー : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −
    terata
    terata 2011/03/12
  • 貧困学会 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −

    貧困学会」というものをつくろうと思います。 拙著『絶対貧困』でも書いたのですが、貧困に対するアプローチとして、学問では「開発学」とかそういったものはあるものの、もっと<現場>に近いところで、貧困を分析しようとする考え方がほとんどありません。 「貧困学会」では、そうしたものを収集しようと思います。 たとえば、日の国内外問わず、貧困地域で起きている以下のようなことを集めるということです。 ・貧困地域での民話、怪談、伝説、噂。 ・スラムの作り方、トイレや器などの詳細。 ・貧困フード、スラング、酒。 ・医療、障害、老人福祉。 ・仕事の構造、職業の種類。 ・写真収集。 ・民謡、替え歌、子守唄。 ・服装、髪型、エチケット。 ・宗教、言語、民族、人口、歴史。 ・寝場所、稼ぎ場所、結婚恋愛、セックス。 ・事件、犯罪、紛争。 ・占い、呪術、迷信、お守り。 ・遊び、ゲーム。 たとえば、NGOやボランテ

    貧困学会 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −
    terata
    terata 2010/11/01
  • 中国製 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −

    中国製の商品がアフリカになだれ込んでいる。 日人や欧米人は「中国製は安いけど、品質がぜんぜんダメ」とひがむように言う。 15年ぐらい前までは市場のほとんどを日や欧米の製品が占めていたのだから、そう文句を言いたくなる気持ちもわかるだろう。 しかし、当にそうなのだろうか? たしかに、中国製は品質が悪い。 プラスチック製のバケツなどもあっという間に壊れてしまう。これは現地の人にとっても、不評である。 しかし、忘れてはならないことがある。 つい10年ぐらい前まで、アフリカでは女子供が重たい壺に水を入れ、それを頭にのせて運んでいた。 これによって、脊髄を損傷したり、熱射病で熱中症で命を落としたりする人が大勢いた。 壺であることが、様々な弊害を生んでいたのである。 ところが、中国製の安価なプラスチックの容器が入ってきた途端、それが一変した。 酷暑の荒野で毎日何時間も水運びをしていた女子供にとって

    中国製 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −
    terata
    terata 2010/10/06
  • イベント告知 10月31日 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −

    昨夜、飲んだ際に、「この世で一番最悪だった対談」について熱く語る。 詳しく書くと、誰、とわかってしまうので、書かないが、その人との対談は当にうんざりだった。 自分から一言もしゃべらないし、何かを考えようともしないし、これまでしゃべってきたことを、機械のように繰り返すだけ。 そもそも、何の準備もしてきてないので、自分のことしか話さないので会話にならないのだ。 こっちの話とは全然ちがう話を能面のような顔でしているだけ。 なんつーか、ぶっ壊れたロボットである。 さらに、こっちが何かを指摘したら、近くにいたその人の編集者がいきなり「●●先生はそんなんじゃないんです!」と言いはじめる始末。 (あんたは、●●氏の恋人か?) で、出来上がった対談は、当日の話を強引につぎはぎしたもの。 会話になっていないし、内容がさっぱりわからない。しかも、赤字を入れろと言われたので入れたら、今度はいきなり、その●●先

    イベント告知 10月31日 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −
    terata
    terata 2010/10/06
  • トークセッションのお知らせ「人間をえぐる取材力」@新宿 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −

    トークセッションを、新宿にある紀伊國屋店で行います。 タイトルは、「人間をえぐる取材力」。 このセッションでは、僕が海外や日でした取材の裏側を赤裸々に語ります。 どうやって対象者に会って、話を聞いてきたのか。 その時、どんなことが起きたのか。何を見て、何を感じたのか。 体験をに書くことにおける葛藤とはどういうものなのか。 では決して描くことのできなかった体験とは何か。 こうしたことを、2時間ぶっつづけで、ガッツリ話をしていきます。 ご参加された方からのご質問にも答えていきますが、聞き手としてゲストに雑誌ややラジオで活躍する山崎まゆみさんを迎えます。 山崎さんご自身も、23カ国もの取材をしている方です。温泉関連のベストセラーも出している上に、『ラバウル温泉遊撃隊』(新潮社)というノンフィクションも書いています。 山崎さんとのやりとり、ご参加された方とのやりとりを通じて、人間をえぐり

    トークセッションのお知らせ「人間をえぐる取材力」@新宿 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −
    terata
    terata 2010/04/04
    5月9日
  • 初めてのノンフィクション100(1) : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −

    最近、このブログで下の話ばかりしている。 ちょっと反省して、まじめなを紹介することにしよう。 20代、30代の方と話をしていてよく聞かれるのが、「面白いノンフィクションってありますか」ということである。 ノンフィクションって、小説と違って、なかなか紹介されない。 論文のようにやたらと専門性のつよいが多いうえに、つまらないが多すぎる。なので、何を読んでいいかわからないというのが音なのだろう。 一年ぐらい前に現代プレミアというノンフィクションを紹介するムックが売れたが、こうした読者の希望と合致したのだと思う。 ただ、現代プレミアは、いかんせん、おじさん向けなので、そこで紹介されたを若い人が読んで面白いと思うかどうかは微妙な気がする。 僕も講談社のI氏にもらってペラペラめくってみたことがあるのだが、総合ベスト10に入っていたを見て、おどろいた。おそらく、20代の人が読んでも、まった

    初めてのノンフィクション100(1) : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −
    terata
    terata 2010/03/21
  • 2月27日イベント&交流会 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −

    2月17日に、新書でエンターテイメントを出す。 これまでのようなガンガンのノンフィクションではなく、読み物としての娯楽である。 テーマは、外国人がする日人についての噂や都市伝説やデマ。 外国人の間に、どのような日人についての噂や都市伝説やデマが広がっているのか。 笑い話も、怪談も、差別的なデマも、政治的な話も、とにかく徹底的に集めてみることで、世界の中で、日がどのように受け止められているのか、を紹介していくである。 このブログでも、ずいぶん前にちょっと触れたと思うが、たとえば、以下のようなものだ。 「日人女性はとてもモテル。なぜなのか。実は、日人女性の性器は縦に割れているのではなく、横に割れているのである。そのために、セックスがとても気持ちいい。あるインタビューアーがジョンレノンに『オノ・ヨーコのどこがいいのか』と尋ねたところ、ジョンは『ヨーコのアソコだよ』と答えたらしい」

    2月27日イベント&交流会 : 石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −
    terata
    terata 2010/02/13
  • 1