今年は全国で開催中止の動きが広がった祭り。普段であれば浴衣を着て、盆踊りに参加したり、花火を見たり、屋台を回って美味しいものを食べたりするはずだったのに、という寂しい思いをした方も多いだろう。 日本民俗学の父とも言われる柳田國男は『日本の祭り』(初版発行・1942年)という著書の中で、以下のようなことを述べている。 日本の祭りの最も重要な変わり目は、見物人の発生だったのではないか。 現代の私たちにとって、祭りは見て楽しむものという意識が広がっている。盆踊りに参加したいけど恥ずかしいという方も多いだろうし、打ち上げ花火は当然眺めて見るものだ。なぜ、見物人の発生が日本の祭りにとって重要な転換点だったのだろうか。 日本の祭りの特徴 平成26年度に文化庁が作成した『宗教関連統計に関する資料集』によれば、日本全国の神社の数は約8万社。祭りは少なくともその倍以上の数があると考えられている。五穀豊穣、商
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