「かな」誕生の歴史を知る貴重な資料 2008年4月24日(木)付、読売新聞紙上で、平安時代前期(9世紀後半)の、草仮名(そうがな。漢字の草書体を、日本語の音の表記に用いたもの)が墨書された土器が、富山県射水市一条の「赤田(あかんだ)Ⅰ遺跡」で発見されたことが、報道されました。 9世紀後半は、万葉仮名が、平仮名へと飛躍する重要な時期です。しかし、資料は多くありません。この時期の、仏教経典に書き込まれた訓点や、文書、落書などに、草仮名が見えることは、報告されていました。 しかし、調査を担当した鈴木景二氏(富山大学人文学部教授)によれば、「草仮名が書かれた土器としては、最古かつ唯一の資料である可能性が高い」としています。しかも、鈴木氏は、「なには」があることから、宴会で歌を詠んだ際の、練習用として書き留められたか、と推測しています。 9世紀後半における、草仮名で書くことの広がり、また和歌の表記法