キメラT細胞受容体を導入した自己T細胞や、抗PD-1, CTLA4抗体を用いたチェックポイント治療の導入で、私たちに備わった免疫機能がガンの根治を期待できる力強い味方であることが分かっている。ただ現在行われている免疫治療は根治に向けた第一世代で、幾つかの大きな課題を抱えている。キメラT細胞受容体療法に関しては、何と言っても正常細胞に対する反応をどこまで抑えて、ガン特異的な治療法に発展させられるかが鍵になるだろう。一方、チェックポイント治療は、ガンに対する免疫が成立していないと無力であるため、ガンに対する免疫を成立させる方法の開発が最重要課題として研究されている。事実、従来の化学療法がガン免疫の成立に寄与できるか?といった課題についての総説が出るなど、免疫治療を中心として全治療を再構成し直そうという動きもあるぐらいだ(Cancer Cell 28, 690)。今後免疫を成立させるための様々な