東京都で新型コロナウイルスの新規感染者数が再拡大し、コロナ「第5波」の到来が現実味を帯びている。4回目の緊急事態宣言発出を避けたい政府は、高齢者などへのワクチン接種が進展して重症者数を抑えられるので、医療崩壊の危機は回避できると主張。一方、専門家たちはこれに強く異を唱えて一歩も引く気配はない。双方の論争は、これからヤマ場に入る。 東京都の新規感染者が673人と公表され、12日連続で前週の同じ曜日を上回った1日。都の感染状況を分析する有識者会議は、こんな警告を発した。1日当たり感染者数が最多の2520人に達した年末年始の「第3波」を超える急拡大が危ぶまれる-。 それでも政府は「当然、想定していたこと」(西村康稔経済再生担当相)と強気の姿勢を崩していない。「1日100万回」ペースで進むワクチン接種の効果を当て込んでいるからだ。 全国の65歳以上のうち、1回目を打ち終えた割合は6割を超え、2回目