社会学者・岸政彦が明かす、“人の話を聞くこと”の怖さと価値「聞き取り調査には暴力性もある。それでも耳を傾けるべきだ」 岸政彦『生活史の方法——人生を聞いて書く』 (ちくま新書) 「生活史」とは、ひとりの人間の生い立ちや人生の語りを聞き取る、社会学の質的調査のひとつであり、沖縄で30年にわたり聞き取り調査を続けてきた社会学者・岸政彦は、その第一人者といえる存在だ。岸は150人の聞き手希望者に自身の調査方法を伝え、彼らがそれぞれ150人の語り手に取材を行った。その成果として生まれたのが、『東京の生活史』『大阪の生活史』(いずれも筑摩書房)である。 いまも聞き取り調査を続ける岸が、今回「他者の話を聞く」ことについてまとめた新著『生活史の方法』(ちくま新書)を上梓した。曰く、聞き取り調査に「標準的な方法」は存在せず、しかもその営みには、常に語り手への暴力性が潜んでいる――。では、他者の人生に耳を傾

