愛する人を宇宙に送る――。米シリコンバレーに拠点を置くベンチャー企業、エリジウムスペースが今秋、遺灰を宇宙に埋葬する「宇宙葬」サービスを開始する。 10センチ四方の小型衛星の中に、顧客の遺灰を納めたアルミニウム製のカプセルを入れ、ロケットに搭載して宇宙へ送り出す。価格は1990ドルと、既存サービス(5000ドル)より格安。昨年10月に受付を始め、これまでに約40人が応募。今秋までに最大100人を集める計画だ。 小型衛星の低価格化などを背景に宇宙ベンチャーが数多く生まれる中、エリジウム社はどうやって顧客の関心を引きつけるのか。来日したNASA(米航空宇宙局)出身のエンジニアである、トマ・シベ創業者兼CEOに話を聞いた。 宇宙葬への関心は高い ――宇宙ベンチャーはたくさんありますが、宇宙葬に着目した理由は。 私は2012年にシリコンバレーへ移り、宇宙関連の事業を始めようと思ったが、当時は多くの