<プロフィル>尾畠春夫(おばた・はるお) 1939年大分県生まれ。小学校5年生の時に母を亡くし、農家に奉公に出る。中学校は3年間のうちの4カ月しか通えなかったという。別府市や山口県下関市、兵庫県神戸市の魚店で修業を積み、東京都大田区で鳶と土木の会社で資金を貯めた後、1968年に大分に戻り魚屋「魚春」を開業。地元の人気店だったが65歳の時に惜しまれながら閉店し、以後ボランティア活動に専念する。趣味は40歳からはじめた登山。妻と48歳の息子、45歳の娘、孫5人。取材ディレクターに対しても「360度何を撮っても良いよ」とサービス精神旺盛な78歳。 西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県呉市天応地区。被災地の復旧を手伝うボランティアの中に、一際目立つ男がいた。赤いつなぎに、「絆」と書かれたヘルメット……今年8月に山口県周防大島町で行方不明となった2歳児を発見し、一躍時のひととなったボランティアの尾畠