演劇に流れる時間の旅 山本ジャスティン伊等 私は今、『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』の公演のために、パリにいる。二〇二三年八月初演のこの作品を上演するのは、だからもう二年目ということになる。だいたい数ヶ月〜半年に一度のペースで、これまで二十回ほど上演してきた。私の今回の役割は演出助手で、本来であればすでに作品から離れてもおかしくないような気がするのだけど、舞台上で衣装を着てプロンプター(俳優がセリフを忘れた際に教える)をやることになっており、ありがたいことに国外のものを含めてすべての上演に参加している。 これまでに自分が演出した作品は、一度かぎり、それも一週間程度のものしかなかった。そして今のところ、過去作の再演をしたこともない。 十二月にロームシアター京都で上演する『想像の犠牲』もそうだ。4回の公演、上演時間を2時間と考えると、たった十時間たらずのために、九月から稽古を進めている。戯曲
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