男の子が韓国アニメのロボカーポリーのTシャツを着ていた | Photo by awazo.com
ネットの上では、ここダラのことをヤンゴンの貧民街だと書いている人もいた。でも、少なくともこの集落を歩いている限りではそのようなことは感じない。お店の前にはそれほど古くないバイクが停まっていたりする。確かにヤンゴンのダウンタウン辺りと比べると平均所得は低いからもしれないけれど、極端に低いとはいえない程度だろう。 そうこうしていると、幼い男の子が僕のところにやってきた。カメラを構えると、顔にタナカを塗っている男の子は楽しそうにピースサインをしてくれる。よく見てみると、男の子の着ていたオレンジ色のTシャツにはなにやらアニメのキャラクターらしきものが描かれている。いかにも日本のアニメのキャラクターといった感じだ。でも、調べてみると日本のものではなかった。正解は韓国製のロボカーポリーというアニメの登場キャラクターだった。男の子のTシャツに描かれているのはそのアニメに登場するアンバーというキャラだ。救
窓際には楽しげな男の子 | 写真とエッセイ by awazo.com
列車が駅に停車していた。乗客たちは窓から顔を出して、プラットホームの様子を窺っている。ここの列車にはエアコンなんてものは取り付けられていないから、車内は結構暑いに違いない。 写真の男の子もプラットホームの様子を窺っていた。窓枠に腕を載せて、車窓から身を乗り出している。どうやら、お婆さんと一緒にどこかへ出かける最中のようだ。僕を見つけると、大きな瞳をキラキラさせながら微笑んでくれた。可愛らしい男の子だった。
口に手を当てながら大笑いする女性 | 写真とエッセイ by awazo.com
歩いていると、チェック柄のシャツを着た女性と行き会った。こんなに暑いのに長袖なんて着ていて暑くないのだろうか。僕なんて、半袖のTシャツなのに汗だくだ。 女性は僕がカメラを構えているのを見て恥ずかしがっていた。自分にレンズが向いていることに確信すると、女性は手で口を隠しながら大笑いし始める。でも、指の間から歯が溢れている。顔にはタナカが塗られていたので、顔も歯も白い。女性は楽しそうにファインダーに収まってくれたのだった。
買い出しされた野菜が満載になったヤンゴン環状線の車内 | 写真とエッセイ by awazo.com
それほど混雑していなかった僕が乗り込んでいたヤンゴン環状線の車内も、ダニンゴン駅に着いた途端にその状況は一変した。あれよあれよという間に大勢の買い出し客が乗り込んできて、車内は一転して混雑し始めたのだ。 この駅の近くに大きな市場があるようで（後で判明したのだけれど、ダニンゴン駅自体が市場になっている）、みな大きな荷を抱えていた。自分のお店で売りさばく食材を大量に仕入れたのだろう。座席は買い出し客で満席になり、床は野菜がはち切れんばかりになった袋で埋め尽くされた。文字通り足の踏み場も無い車内になったのだった。
ピースサインと笑顔 | 写真とエッセイ by awazo.com
一日の散歩を終えてホテルに戻る途中に、楽しそうな子どもたちが集まってきた。僕は瞬く間に囲まれたのだった。子どもたちはカメラに興味津々で、写真を撮ってもらいたいのだ。子どもたちは僕にまとわりつきながら、一斉にピースサインをしながら笑っている。 この子たちの家は僕の泊まっていたホテルのすぐ近くにあったので、朝にホテルを出る時と夕刻にホテルに戻るときには必ず会っていた。そして、僕を見つけると遊んでいるのを止めて僕のところにやって来るのだった。それは日々のお決まり事のようだった。
引き締まった体のお父さんと娘 | Photo by awazo.com
タニンで会った若いお父さんに会った。引き締まった体をした若いお父さんは上半身裸だった。肉体労働の仕事をしているののだろうか。余分な肉はほとんど付いていない。腕には刺青も見える。ミャンマーでは刺青を入れた男性は珍しくない。一般的な習慣になっているようだ。 そんなお父さんは僕のところに幼い娘を抱えてやって来た。写真を撮ってくれという。カメラを向けるとお父さんはぎこちなく笑ってくれたのだけれど、女の子は写真を撮られることにも、目の前に立つ見知らぬ外国人にも、どちらにも興味が無いようだった。女の子の関心はどこか他の場所にあって、僕の前にやって来てもカメラを見てくれることはなかった。
興味津々の顔としかめっ面 | Photo by awazo.com
ふたりの男の子が一緒に遊んでいた。みなと同じように、ふたりの顔にはタナカが塗られている。左に見える男の子の塗り方はとても雑に見える。刷毛の後がくっきりと残っている。これが格好いい塗り方なのだろうか。 カメラを向けると、ふたりとも僕の方を見てくれた。でも、その表情は違う。タンクトップの男の子は興味津々で僕を見ているのだけれど、もうひとりの男の子はしかめっ面をしていた。そして、シャッターを切っている間、ずっとくまのプーさんがタンクトップの上で楽しげに踊っているのが見えた。
出帆を待つ乗客 | Photo by awazo.com
川岸に停泊していた渡し船の中は、もう乗客でいっぱいになっていた。でも、何時に出帆するのかは、僕だけでなく誰も知らないと思う。でも、地元の人たちは気に留めていないようだ。船内のあちらこちらにお喋りの花が咲いている。ここでは時間がゆっくりと流れている。イライラしたことろで、何も変わらないのだ。 向い合って腰掛けているふたりの女性も楽しそうだった。右手に見える女性は僕に気が付いて、こちらを見ていた。なぜだか、何かを食べている人が多かった。
川岸で寛ぐ帽子の老人 | Photo by awazo.com
野球帽を被った老人が川岸に腰を下ろしてゆったりとしていた。そこは風が吹き抜けて、町の中にいるよりは若干涼しい。寛ぐには心地よい場所なのだ。 老いも若きも、大勢の人がここでちょっと休んでいる。眼下には乾季で広くなった川辺が広がっていた。でも、ここでデートをしているようなカップルの姿を見かけることは一度も無かった。小さな町で、ここは人目に付き過ぎるのだろう。すぐさま街中の噂の的になってしまうかもしれない。
驚いた瞳とタキーヤ | Photo by awazo.com
トラックのようなバスが道路脇に停まっていた。荷台に設けられた座席には子どもたちの姿が見える。タキーヤを被った男の子も他の子どもたちと同じように座席に腰を下ろしていたのだった。 他の子は周りの子と遊ぶのに懸命になっていた中で、この子だけが僕のカメラに気がついた。そして、ちょっと驚いているようだ。近付いてくると、大きく目を見開いて、僕を見据えている。口唇を手摺に押し付けながら、視線はレンズに釘付けだったのだ。そんなに驚くことはないと思うのだけれど。
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