横浜の中華街と比べると小さいものの、長崎にも中華街があって華僑が活動している。中国人のどこにでも移住してしまう感覚は日本人にはない気がする。戦前の日本人には日本を飛び出て、満州に行ったり、マレーシアに行ったりする気概があったのかもしれないけれど、少なくとも現在の日本人は持っていないように見える。 長崎の中華街にも、他の国の中華街と同じように中華料理店が軒を連ねている。歩いていると、とあるレストランの前に黄金の豚が立っていた。片手にトレイを持っていて、得意げにレストランへ客を誘っている。陽気な豚だ。このレストランは美味しいに違いないと思わせるに十分な自信に満ちた顔をした豚だった。