額に既婚の印であるシンデゥールを付けた女性がマルダにあった露天市で働いていた。脇に置いた大きな籠に大量の唐辛子が入っていて、足元に皮のついたままのニンニクが散らかっていた。女性は唐辛子とニンニクを売っていた。カメラを向けたとき、女性は籠に手を突っ込んで唐辛子を掴んだところだった。 唐辛子とニンニクの組み合わせには食べた人を元気にする力がある。暑いインドでは家庭でも唐辛子とニンニクを食べて精をつけるのが一般的で、市場だけでなく道端でニンニクや唐辛子を売っている人が多い。そのような場所では、さぞかし料理が辛いのではないかと思うものの、マルダのある西ベンガル州の食事はさほど辛くない。南アジアでは南に行けば行くほど辛くなる印象を持っている。その証拠にインドよりさらに南にあるスリランカの食事は辛くて食べるのに難儀した。