全く短くない一年だった。いろいろと出来事があって、いろいろと考えた。しかし、それは記憶にほとんど残っておらず「なんだか疲れたなぁ」という印象しかない。こういう時は自分が読んだ本から汲み取ってやるのが良い。というわけで今年読んだ本をおさらいしてみる。これが書きたかっただけだ。 年の初めにローマ史を勉強するぜ、と意気込んでいたがいつの間にか忘れてしまっていた。PKDの【ヴァリス】を読み、あのイカレタ世界に意識がいってしまったのか。ヴァリスは全世界にあまねく行き渡る知的な存在である。彼は何でも知っている。要するにイデアだ。PKDがこれを書いた当時は何があったのか分からないが、今の時代は確実にヴァリスの創造を目指している。IoTやらインダストリー4.0がそれである。全ての物体に知性が搭載され、あらゆる情報が見えないところで行き来する。それはもしかしたら、ヴァリスという一個体に集約されることはないか