兵庫、大阪をエリアとするFMラジオ局「Kiss-FM KOBE」(神戸市)は28日、民事再生法の適用を神戸地裁に申請、保全命令を受けたと発表した。5月中旬までに事業譲渡先を探して再生を図る。負債総額は少なくとも約6億7000万円。 同社は90年開局。近年は資金繰りが悪化、給与支払いも滞っていた。今年2月、07~08年度の売上高を最大約6億円粉飾し、営業利益も約2億円水増しした疑いが発覚。多額の簿外債務もあるとみられ、今月15日の株主総会で就任した現経営陣は現状での再建は不可能と判断した。 一方、全国のFMラジオ局で作る全国FM放送協議会は28日、「放送局の社会的信用を失墜させた」として、今月30日付で同社を除名すると発表した。1カ月の猶予期間後、番組配信が止まる。同協議会は法令順守の態勢整備を再加盟の条件としている。【米山淳、近藤諭、吉川雄策】