新型コロナの接触検知アプリの普及が、各国で行き詰っている。 陽性者との接触を検知して通知するアプリは新型コロナ対策の要のひとつとされ、すでに70カ国以上で運用されている。 だが、カタールやシンガポールなど、ダウンロードに強制力を持たせる国以外では、普及率はほぼ2~3割止まりだ。 普及率が上がらない背景には、断続的に起きる動作の不具合、プライバシーへの懸念に加えて、具体的なアプリの効果を示せていない、といった点もあるようだ。 ただ、新たに接触検知に取り組む国や州では、グーグル・アップル方式の仕組みを使うことで、アプリなしで対応できる、という選択肢もある。 その一方、当初はプライバシーへの配慮をうたい、高い普及率も達成しているシンガポールのアプリは、そのデータを犯罪捜査にも流用するという。アプリの位置づけが揺らぐ展開だ。 新型コロナの当面の課題はワクチン接種だが、濃厚接触の検知も引き続き必要だ