昨年十二月、東京都内のビルの一室に商社や飲料メーカー社員、経済産業省職員、女性起業家といった男女が集まった。横浜市鶴見区の主婦末永恵理さん(36)の呼び掛けで発足した「乳児用液体ミルク研究会」の初会合だ。 液体ミルクは紙パックやペットボトルに無菌状態で密閉され、常温で半年~一年保管が可能だ。清潔な水が不足したりお湯を沸かしたりできない災害時も利用できるため、東日本大震災ではフィンランド在住の日本人女性らが計一万四千個を被災地に送り、喜ばれた。 研究会に私的に参加した神戸市消防局の沢田邦彦さん(29)は「災害時は哺乳瓶の洗浄が難しく、現時点でベストの選択肢。各家庭で備蓄するのが理想的だ」と話す。自らも個人輸入して長女(十一カ月)に与えている。