特集: ソフトウエア取引の“売上”を減らす 「新会計ルール」の衝撃(前編) 文/中山秀夫(日経SYSTEMS) 2006年6月26日 前編はこちら >> 納品せず受け取った代金は「負債」扱い フェーズごとの成果物を決めれば売上に プロジェクト・マネージャであるあなたは,請負契約のシステム開発プロジェクトの進ちょく遅れで頭を悩ませていた。ユーザー企業の準備不足が最大の原因であり,その点に関しては負い目はなかった。急げと言ってくるのは上司である。「今期の売上予算を達成するためにも,早くシステムを納品して売上計上しろ!」。顔を合わせるたびに,こう言われた。 しかしどれだけ急いでも,今期中の納品は無理。進ちょくは,いまだ7割というところだった。 来期の納品になるとしても,7割方できているのだから,その分の金額だけでも今期中に請求できないだろうか。こう思い,ユーザー企業に