要旨 理化学研究所(理研)光量子工学研究領域中性子ビーム技術開発チームの大竹淑恵チームリーダー、土木研究所構造物メンテナンス研究センターの石田雅博上席研究員らの共同研究チーム※は「理研小型中性子源システムRANS(ランズ)[1]」を用いて、コンクリート内の空隙(くうげき)および水に対する反射中性子[2](後方散乱中性子[2])を利用する非破壊検査法を開発しました。 コンクリートの劣化には水が影響します。例えば、自動車や人などの荷重を受け止める橋の床版(しょうばん)[3]では、雨水や荷重の影響により、アスファルト舗装の下のコンクリート上面でひび割れや土砂化が発生し、コンクリート塊の抜け落ちに至ったケースも報告されています注1)。床版などは利用者を直接支える部材であることから、第三者の被害を防ぐためには、予防保全的なメンテナンスが必要です。 理研では、インフラ構造物の非破壊検査にも利用できる小