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ブックマーク / www.riken.jp (57)

  • 自発的なうつ状態を繰り返す初めてのモデルマウス  | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームの加藤忠史チームリーダー、笠原和起副チームリーダーらの共同研究グループ※は、うつ病・躁うつ病を伴う遺伝病の原因遺伝子の変異マウスが、自発的なうつ状態を示すことを発見しました。さらに、このうつ状態の原因が脳内の視床室傍核[1]という部位のミトコンドリア機能障害にあることを突き止めました。 精神疾患動態研究チームは、ミトコンドリア病[2]という難病の患者がうつ病や躁うつ病を示すことに着目し、その原因遺伝子の変異が神経のみで働くモデルマウスを作成しました。2006年に、日内リズムの異常や性周期[3]に伴う行動量の変化を報告した際、2週間ほど活動低下が続く場合があることに気づきました。 共同研究グループは今回、この活動低下を詳細に分析し、この状態が平均すると半年に1回見られ、うつ病の診断基準を満たす(興味喪失、睡眠障害、欲の変

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    theatrical 2015/10/21
    もっとうつ病が脳の病気と言う認識が広まって、根性論言うバカが死滅すればよいのに。鬱なり、他の精神病なりに根性論言う人間は、「ガンは気合で治る」と言ってるのと同じくらいダメ
  • パルス電流によるスキルミオンの生成・消去に成功 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター動的創発物性研究ユニットの大池広志特別研究員、賀川史敬ユニットリーダーらの研究グループ※は、パルス電流印加(短時間に瞬間的に電流を流すこと)による磁気スキルミオンの生成・消去に成功しました。 磁気スキルミオン[1]は数十ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)程度の大きさの渦状の磁気構造で、次世代の高密度磁気メモリ素子への応用が期待されています。しかし、磁性体を数十nmの厚さの薄膜に加工しない限り、磁気スキルミオンを観測できる温度域が数ケルビン(K)幅(マンガンシリコン(MnSi)の場合、27K~29K)程度と非常に限られていました。磁性体がその温度域を外れると磁気スキルミオンは別の磁気構造へと変化し失われてしまうため、基礎・応用研究の一層の展開に向けて磁気スキルミオンを観測できる温度域の拡大は解決すべき課題となっていました。 研

  • 磁気渦を押すだけで生成・消去できる新手法を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター創発デバイス研究チームの新居陽一客員研究員(東京大学大学院総合文化研究科 助教)、岩佐義宏チームリーダー(東京大学大学院工学系研究科 教授)、強相関量子構造研究チームの中島多朗特別研究員、創発物性科学研究センターの十倉好紀センター長(東京大学大学院工学系研究科 教授)、総合科学研究機構(CROSS, J-PARC特定中性子線施設 登録機関)の大石一城グループリーダー、鈴木淳市部長らの共同研究グループ※は、次世代型磁気メモリデバイスへの応用が期待されている微小な磁気渦(スキルミオン[1])を力学的に生成・消滅する手法を初めて発見しました。 スキルミオンは数ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)から数百nmのサイズの粒子のような磁気渦で、一度生成すると比較的安定に存在し、極めて小さな電流や熱勾配により動かすことができます。また理論的

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    theatrical 2015/10/16
    次世代不揮発性メモリ素子として使える可能性のあるスキルミオンという物質の、制御ができたよって話。不揮発性メモリの話は何時も俺を興奮させる
  • アルツハイマー病の組織病変をズームイン | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所脳科学総合研究センター細胞機能探索技術開発チームの宮脇敦史チームリーダー、濱裕専門職研究員、並木香奈研究員らの共同研究グループ※は、生体組織を抗体や色素で染色し微細構造を保ちながら透明化する新しい技術を確立しました。この技術を使って、アルツハイマー病[1]モデルマウスの加齢脳やアルツハイマー病患者の死後脳におけるアミロイド斑[2]を、異なる空間解像度で定量的に観察することが可能となりました。 2011年、理研の細胞機能探索技術開発チームは、生物サンプルを透明にする尿素含有試薬ScaleA2を開発し、サンプルを傷つけることなく表面から数ミリの深部を高精細に観察できる技術Scaleを開発しました注1)。しかしScaleA2は、処理時間が長く組織が膨潤してしまうなどの問題点がありました。そこで、共同研究チームは、尿素とソルビトール[3]を主成分とする透明化試薬ScaleSを開発

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    theatrical 2015/10/06
    透明化技術がより進歩したらしい
  • マウスの「父性の目覚め」に重要な脳部位を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合センター親和性社会行動研究チームの黒田公美チームリーダー、恒岡洋右研究員(研究当時)、時田賢一研究員らの研究チーム※は、オスマウスの子育て(養育行動[1])意欲が「cMPOA」と「BSTrh」の2つの脳部位の活性化状態から推定できることを発見しました。 ほ乳類の子は未発達な状態で生まれ栄養源を母乳に頼るため、親による養育が不可欠です。メスマウスは若い時から子の世話をすることが多く、さらに母親になる時には出産時の生理的変化[2]により養育行動が強化されます。一方、交尾未経験のオスマウスは養育せず、子に対して攻撃的ですが、メスとの交尾・同居を経て父親となると、よく養育するようになります(父性の目覚め)。黒田チームリーダーらは2013年に、フェロモンを検出する鋤鼻器(じょびき)[3]の阻害がオスマウスの子への攻撃を抑え、養育を促すことを見いだしています注1)。

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    theatrical 2015/10/05
    ホモサピエンスの父性の目覚めを発生させる要因が同定されれば、犯罪者の脳をいじって攻撃性を下げるという、非人道的なことが出来そう
  • 社会的認知機能の巨大脳ネットワーク構造を解明 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター適応知性研究チームの藤井直敬チームリーダー、ジーナス・チャオ客員研究員(自然科学研究機構 生理学研究所 特任助教)らの研究チームは、ニホンザルを用いて文脈[1]依存的な社会的認知機能[2]の脳ネットワーク構造を解明しました。 ものごとの意味は、自己や他者の振る舞いや過去の履歴、環境などの社会的な文脈によって変化します。例えば、ある人に対して誰かが怒っているシーンを見た後に、怒られた人が眼と口を大きく見開いている様子を見れば、その人は怒られたせいで恐怖を感じているのだと思います。一方で、事前にその人に対してサプライズパーティを仕掛けたシーンを見ていたとしたら、眼と口を大きく見開くという様子は、恐怖とは逆の“びっくり”と“うれしさ”が混ざった様子に見えると想像できます。ある1つのシーンの意味は1つではなく、見る者が事前にどのような文脈情報を得てい

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    theatrical 2015/09/30
    これは面白いな
  • 自然免疫の記憶メカニズムを解明 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)石井分子遺伝学研究室の吉田圭介特別研究員、石井俊輔上席研究員らの共同研究チーム*は、自然免疫[1]に記憶[2]が存在し、病原体感染によるエピゲノム変化[3]の持続がその記憶メカニズムであることを明らかにしました。 ヒトの免疫系には、先天的に備わった「自然免疫」と生後獲得していく「獲得免疫[1]」があります。自然免疫はマクロファージなどにより病原体に対して初期防御を行います。一方、獲得免疫はB細胞やT細胞などのリンパ球により一度侵入した抗原を認識し、排除します。これまで、病原体に感染したことを記憶するのは獲得免疫だけとされていましたが、いくつかの現象から自然免疫にも記憶が存在することが示唆されていました。しかし、その記憶メカニズムが不明なため、自然免疫の記憶の存在を疑問視する声もありました。 共同研究チームは、グラム陰性菌[4]の細胞壁外膜成分のリポ多糖(LPS)を

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    theatrical 2015/09/02
    どうでもいいけど、自然免疫が記憶を有するなら、「自然免疫」と「獲得免疫」と言う用語の使い分けは微妙になるね。名称変更したほうが良さそうに感じる
  • 1,000兆分の1秒の時間遅延を観測 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)光量子工学研究領域アト秒科学研究チームの鍋川康夫専任研究員、古川裕介客員研究員、緑川克美チームリーダーらの研究チーム※は、3,000兆分の1秒という短い時間幅のパルスが並んだ「アト秒パルス列[1]」という特殊な光で水素分子をイオン化すると、分子振動波束[2]の生成過程(水素分子イオンが振動を始めるための準備時間)が、従来考えられていた時間よりはるかに長いことを発見しました。これにより、使用するパルスによって準備時間を制御可能なことを示しました。 水素分子は2つの陽子と2つの電子で構成される構造が最も簡単な分子です。水素分子にパルス光を照射すると瞬間的にイオン化し、2つの陽子の結びつきが弱まって、水素分子イオン(陽子)は振動を始めます。水素分子イオンの振動は複数個の波動関数を足しあわせて得られる「波束」で表されます。これまで水素分子イオンが振動を始める前の波束は、イ

  • 植物の1細胞質量分析法プロトコールを公開 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)生命システム研究センター一細胞質量分析研究チームの升島努チームリーダーらの研究チーム※は、植物の1細胞質量分析法のプロトコール(手順)を公開しました。1細胞質量分析法は、生命体の分子変化を1細胞あるいは1細胞内小器官[1]レベルで、細胞の動きを見ながら、数分以内にその内部の分子群を追跡できる先進手法としてさまざまな応用が期待されています。 植物内の分子動態は、従来、多数の細胞をすりつぶして試料を作り解析していたため、多細胞の平均値としてしか見ることができませんでした。手法では、細胞1個レベルで、すぐに狙った生きた細胞中の分子群を検出することができます。これにより、植物組織内での局所の分子変化を多様な条件下でつぶさに追跡することができます。また、この技術を応用することによって、短期間の品種改良、植物内有効成分の早期検査、植物工場などでの育成条件のより詳細な検討など

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    theatrical 2015/08/30
    こういう技術をいかに活用できるかが、農業事業者の製品差別化につながるだろうなと考えると、企業の勝利は約束されている様なものだなと思う。早く産業革命が起きてほしいなと。
  • 人工的に設計したタンパク質による金属ナノ結晶の生成 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)ライフサイエンス技術基盤研究センター構造バイオインフォマティクス研究チームのケム・ツァンチームリーダー、アルノウト・ヴット国際特別研究員と、横浜市立大学大学院生命医科学研究科のジェレミー・テイム教授らの共同研究グループ※は、金属と結合するピザ型タンパク質[1]を設計し、規則正しく配列した7個のカドミウムイオンと12個の塩化物イオンから成る世界最小のナノ結晶[2]を作ることに成功しました。 生物が体の内外に鉱物(ミネラル)を作り出すことをバイオミネラリゼーション[3]と呼びます。リン酸カルシウムによる歯や骨、炭酸カルシウムによる貝殻の形成がその例です。近年、バイオミネラリゼーションを模倣することで、ナノスケール(1nmは100万分の1mm)の部品を人工的に合成する試みが進められていますが、タンパク質がどのようにバイオミネラルを形成するかについてはまだ不明な点が多く残

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    theatrical 2015/08/27
    おもしろそうな研究対象だなぁ。ちょっと勉強してみようかな
  • 反陽子と陽子の質量を一千億分の一の超高精度で決定 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)Ulmer国際主幹研究ユニットのステファン・ウルマー ユニットリーダー、原子物理特別研究ユニットの山崎泰規ユニットリーダー、東京大学大学院総合文化研究科の松田恭幸准教授らの国際共同研究チーム※は、反陽子と陽子、それぞれの質量と電荷の比(質量電荷比)を測定し、両者が一千億分の一(厳密には質量電荷比の絶対値が、(1±69)x10-12)の精度で一致していることを見いだしました。 現在の物理学の基礎となっている標準模型[1]は、ビッグバンで生成される物質と反物質が正確に等量であることを予言しています。一方で、私たちの住む宇宙は見渡す限り物質で、反物質は見当たりません。この謎を解く鍵の一つがCPT対称性[2]と呼ばれる最も基的な対称性です。CPT対称性をはじめとする基礎物理学領域の探索はこれまで、大型加速器によるエネルギーの高い粒子を用いて行われてきました。しかし、20

  • スーパーコンピュータ「Shoubu(菖蒲)」がGreen500で世界第1位を獲得 | 理化学研究所

    理化学研究所(理研)が、株式会社ExaScaler、株式会社PEZY Computingと共同で一部設置を完了させた2 PetaFLOPS級の液浸冷却スーパーコンピュータ「Shoubu(菖蒲)」の初期計測実験において計測された性能数値の一つである7.03ギガフロップス/ワット (GFLOPS/W)が、2015年8月1日に発表された最新のスーパーコンピュータランキングの消費電力性能部門である「Green500[1]」において、世界第1位を獲得致しました。これは2007年にGreen500の発表が開始されて以来、理研として初の世界第1位獲得であることに加え、日企業が開発したスーパーコンピュータとして初、更にはベンチャー企業が開発したスーパーコンピュータとしても世界初の快挙です。 理研とExaScaler、PEZY Computingは、今後のスーパーコンピューティングにおける2つの大きな柱で

  • 外的刺激で蛍光波長が可逆的に切り替わる有機蛍光色素を開発 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)ライフサイエンス技術基盤研究センター次世代イメージング研究チームの渡辺恭良チームリーダー、神野伸一郎客員研究員、谷岡卓大学院生リサーチ・アソシエイトと、内山元素化学研究室の村中厚哉専任研究員らの共同研究グループ※は、固体状態(結晶状態)で近赤外と青色の異なる2つの蛍光波長をもつ有機蛍光色素「cis-ABPX01」を開発し、結晶をすり潰すなどの外的刺激により、近赤外と青色の蛍光波長を可逆的に切り替えることに成功しました。 有機色素には効率良く光を吸収、放出する性質のものがあり、生物学・医学・工学などさまざまな分野で活用されています。これまで多くの有機色素分子が人工的に合成され、現在も新たな光物性や機能性を見いだす研究が、世界中で活発に行われています。共同研究グループは、分子が凝集すると発光する新しいタイプの有機蛍光色素「アミノベンゾピラノキサンテン系色素(ABPX)

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    theatrical 2015/07/31
    すごいなとは思うけど、あまりメリットがわからないかなと言うのが正直なところ。
  • 身長や認知機能の個人差を生じる新しいメカニズムを発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター統計解析研究チームの岡田随象客員研究員(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 疾患多様性遺伝子学分野 テニュアトラック講師)らの共同研究チームが参加する国際共同研究プロジェクト「ROHgenコンソーシアム[1]」は、ヒトゲノム配列におけるホモ接合度の程度が、身長や呼吸機能、学業達成度、認知機能の個人差に影響を与えることを明らかにしました。 ヒトゲノム配列において共通したゲノム配列を父親・母親の双方から受け継いでいる状態をホモ接合といい、ゲノム全体に占めるホモ接合の割合をホモ接合度といいます。一般的な集団においてホモ接合度の程度には個人差があることが知られていますが、それがヒトの形質(遺伝によって伝えられる性質や特徴)に与える影響については明らかになっていませんでした。今回、ROHgenコンソーシアムは世界中の100以上の研究施設から集

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    theatrical 2015/07/28
    "ホモ接合度の程度が、身長、呼吸機能(一秒量)、学業達成度、認知機能スコアに対して統計学的に有意な影響を与えることが明らかとなりました" 遺伝子による、人類の選定と言うディストピアに近づいた感がある。
  • ロシア連邦 経済発展省 中小企業・競争力発展局長、タタールスタン共和国 経済大臣ほかご一行が横浜事業所を視察 | 理化学研究所

    ロシア連邦 経済発展省 中小企業・競争力発展局長、タタールスタン共和国 経済大臣ほかご一行が横浜事業所を視察 ナタリア・ラリオノヴァ(Natalia Larionova)ロシア連邦 経済発展省 中小企業・競争力発展局長、アルチョム・ズドゥノフ(Artem Zdunov)タタールスタン共和国 経済大臣ほかご一行19名が、2015年6月29日、横浜事業所を視察しました。 まず、羽入佐和子理事より一行を歓迎し、理化学研究所の全容について紹介した後、予防医療・診断技術開発プログラム(PMI)の林崎良英プログラムディレクターが、PMIの活動内容やカザン大学との連携構想について説明しました。 続いて、PMIのオレグ・グセフ(Oleg Gusev)マネージャーらより、開発中の感染症診断システムのデモ及びライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)における遺伝子受託解析「GeNAS(Genome Ne

  • 室温以上でスキルミオンを生成する新物質を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター強相関物質研究チームの徳永祐介客員研究員、田口康二郎チームリーダー、強相関物性研究グループの于秀珍(ウ・シュウシン)上級研究員、創発物性科学研究センターの十倉好紀センター長らの国際共同研究グループ※は、室温以上でスキルミオン[1]を生成するキラル[2]な金属磁性体を初めて発見しました。 スキルミオンは数ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)から、数百nm程度の大きさの渦状の磁気構造体です。最近の研究で、スキルミオンは固体中で独立した粒子として振る舞い、一度生成されると比較的安定に存在し、低い電流密度で駆動できるなど、磁気情報担体[3]としての応用に適した特性を多く持っていることが分かっています。特に、キラルな結晶構造を有する物質(キラルな物質)で生成されるスキルミオンは、渦の巻き方が結晶のキラリティ[2]で一意に決まり、サイズが

  • 重力によって移動方向が変わらないオーキシンを発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター生産機能研究グループの笠原博幸上級研究員らの国際共同研究グループ※は、植物ホルモン[1]「オーキシン[2]」の一種であるフェニル酢酸(PAA)が、重力によって移動方向が変わらないユニークな特徴を持つことを発見しました。 オーキシンは植物の成長や形態形成で中心的な役割を果たす植物ホルモンであり、特に光や重力に対する植物の屈性に関与することで知られています。そのオーキシンの中で、最初に同定されたのがインドール-3-酢酸(IAA)です。植物は細胞膜上の輸送体を使ってIAAを決まった方向へ輸送(極性輸送[3])しています。植物の茎が重力を感じると、IAAは重力方向へと移動し、濃度の高くなった重力側の細胞伸長を促進することで屈性を引き起こします。一方、強力な除草剤として広く使われてきた合成オーキシンの2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)などは

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    theatrical 2015/06/26
    2,4-Dの効果が高いのは、重力によって移動方向が変わらない性質を持つ人工オーキシンで、その人工オーキシンを投与されることで、極性輸送が行われるはずのものが損なわれ、結果成長が阻害されると言う理解でいいの?
  • 光遺伝学によってマウスのうつ状態を改善 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター 理研-MIT神経回路遺伝学研究センターの利根川進センター長、スティーブ・ラミレス大学院生らの研究チームは、うつ様行動[1]を示すマウスの海馬[2]の神経細胞の活動を操作して、過去の楽しい記憶を活性化することで、うつ様行動を改善させることに成功しました。 一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しくない、などの症状を示すうつ病は、日においても入院と外来合わせて約96万人もの患者がいると言われています(厚生労働省による2011年患者調査)。しかしながら、一般的に使われている治療薬の効果は個人差が大きく、うつ病の克服は容易ではありません。研究チームは2014年に、最新の光遺伝学[3]を用いて、マウスの嫌な体験の記憶を楽しい体験の記憶に書き換えることに成功しました。「うつ病では、それまで楽しかったことが楽しくなくなるなど、過去の楽しい体験を正しく

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    theatrical 2015/06/20
    俺はどれほど素晴らしい記憶だろうと、過去にすがりつくようなことはしたくない。
  • エリンギから眠り病の病原体の脂質を認識するタンパク質を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)小林脂質生物学研究室の石塚玲子専任研究員、小林俊秀主任研究員らの共同研究グループ※は、用キノコのエリンギに、眠り病(アフリカ睡眠病)の病原体の脂質に特異的に結合するタンパク質が存在することを発見しました。このタンパク質「エリリシンA[1]」の性質を利用して、眠り病の一次診断や治療に応用できる可能性を示しました。 眠り病はツェツェバエという吸血バエが媒介する寄生原虫「トリパノソーマ[2]」によって引き起こされる感染症です。病状が進行すると患者は昏睡して死にいたることからこの名前が付きました。病原体であるトリパノソーマに対する特効薬は、現在のところ開発されていません。ワクチンや抗体療法による予防や治療が考えられていますが、トリパノソーマは抗原変異[3]を繰り返すため、今のところ成功していません。 トリパノソーマはツェツェバエと家畜や人間の血流中とを行き来し、血流中に

  • 非対称な光学迷彩装置を理論的に実証 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)理論科学研究推進グループ階層縦断型基礎物理学研究チームの瀧雅人研究員と東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センターの雨宮智宏助教と荒井滋久教授らとの共同研究チームは、非対称な光学迷彩を設計する理論を構築しました。 光学迷彩は、光を自在に曲げる装置を設計、開発することで、物体や人を光学的に見えなくする技術です。これまで様々な理論的提唱や実験的な確認がなされてきました。しかし、光学迷彩装置は向かってくる光を迂回させることで、装置自体を見えなくしています。したがって、装置内に入射する光がなく、装置内からは外部を見ることができませんでした。このように、これまでの原理では外部からも内部からも見えないという“対称的”な振る舞いを示す光学迷彩装置しか作ることができませんでした。そこで共同研究チームは、光に仮想的にクーロン力[1]とローレンツ力[2]を働かせる光学迷彩装置を提

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    theatrical 2015/06/08
    相手から見えないのに、こっちからは相手が見えるみたいな。反対称な航路を実現できると感じる見たい。