中国で服役中の70代の日本人男性が今月、北京市内の病院で病死していたことが分かった。 男性は2015年に北京で拘束され、スパイ罪で懲役12年の実刑判決を受けた。どのような行為が罪に問われたのか。肝心の点が明らかにされないまま、中国で他界したことになる。 罪状を公にしないまま人身の自由を奪ったうえに死に至らしめたことは、司法に名を借りた重大な人権侵害である。断じて許すことはできない。 男性はかつて航空会社に勤務し、その後コンサルタントとして日中間を往来していたという。拘束の経緯も理由も不明である。 密室の裁判で弁護が許されたかどうかも分からない。民主主義国の司法手続きではあり得ない。男性がなぜスパイ罪に問われ、服役したのか。中国当局は直ちに明らかにすべきであり、日本政府は強く開示を迫るべきだ。 上海では昨年12月、50代の別の日本人男性が中国当局に拘束されていたことも明らかになった。スパイ行