「デジタル化の波は、各業界のレイヤー構造化を進展させる。メーカー純正品ではなく、汎用品を購入者が組み合わせる世界だ。あらゆる業界は、このことを強く認識しておくべきだ」。2016年5月25日、東京・目黒のウェスティンホテル東京で開催した「第3回イノベーターズ会議」(日経BP社 日経ITイノベーターズ主催)。早稲田大学ビジネススクール教授の根来龍之氏は、このように話す(写真)。 根来氏は、「デジタル化の宿命、産業構造のレイヤー化~デジタルディスラプション時代の生き残り策」というテーマで登壇。イノベーターズ会議の出席者との意見交換を交えながら、今後の産業界を展望した。 産業のデジタル化には、三つの要素がある。「モジュール化」「ソフトウエア化」「ネットワーク化」である。これらが一気に進むと産業構造のレイヤー化が進展し、業界構造が大きく変容する。これが、根来氏の長期的な見通しだ。 根来氏は、自動車産