米グーグルが先月、カナダのAI(人工知能)研究所「DNNresearch」を買収したのに続き、今月は中国のグーグルとも呼べる百度(Baidu)が独自のAI研究所をシリコンバレーに設立した。 両者には共通項がある。それは「ディープ・ラーニング(Deep Learning)」と呼ばれる、最先端のニューラルネットワーク技術を研究することだ。他にもマイクロソフトやIBMなど巨大IT企業も、この分野の研究開発に力を入れていることで知られる。 ディープ・ラーニングについては、以前にも本コラムで簡単に紹介したことがあるが、これが今後のIT産業を大きく揺るがす重要な技術になることは間違いないので、今回はもう少し詳しく解説しよう。 半世紀以上の歴史を持つニューラルネットの一種 ディープ・ラーニングとは、要するに人間の頭脳を構成する無数の神経細胞のメカニズムを、従来よりも正確に模倣した新種のニューラルネットワ