2017年4月7日未明、アメリカの巡航ミサイル59発がシリア中央部にある空軍基地に着弾。多大なインフラ被害のほか、付近の村に住む市民に多数の死傷者が出ている。これで、ついに最も恐れていたことが現実のものになったわけである。 ロシア外相ラヴロフの機転、シリア大統領アサドの決断、限られた期間しかも極めて危険な状況下で大量の化学兵器全量廃棄という偉業を成し遂げたOPCW(化学兵器禁止機関)、廃棄作業の必要条件となる治安維持に努めたシリア政府軍及び警察、…この最悪の事態を回避すべく流された汗と努力が、この一瞬にいともたやすく灰燼に帰してしまったことになる。 続きを読む