AI(人工知能)やIoTで顧客にきめ細かなサービスを提供したい―。そんな企業が増えている。一方で、顧客データの扱い方によってはプライバシーへの影響を懸念する声も出そうだ。そんな事態を防ごうと、匿名加工の技術を競うコンテストが2016年10月に開催された。 AIやIoTが、匿名加工とどう関わるのかと疑問に思われるかもしれない。ある電子商取引サイトを運営するA社が、顧客がいつどんな商品を買ったかという購買履歴データを別のB社に渡しているとしよう。B社はデータを基に、顧客に「A社の商品を買ったあなたにおすすめする商品」という広告メールを送ることができる。 A社が顧客に購買データをB社に提供することをプライバシーポリシーなどで説明していて、顧客が同意していたのであれば問題はない。顧客も両社に自分のプライバシーを侵害されたと思わないはずだ。 しかし将来は、A社が顧客一人ひとりに合ったサービスをするた