【久恒勇造】鹿児島県・屋久島に来る人に「入島税」を課すべきか。今月、世界自然遺産登録から20年を迎えた島で、議論が本格化している。最大のきっかけは、登山道のトイレ問題だった。 「屋久島に行くと税金を払わされるというマイナスイメージが広がらないか」「島の自然を守るには相応の費用がかかる」 先月、屋久島町が初めて開いた入島税の検討会議。約2時間、税導入の是非が議論された。会議は、町民代表や県、国の担当者ら17人で構成されている。 樹齢数千年の縄文杉を訪れる人の増加で、登山道などを管理する負担は膨らんでいる。最も重いのはトイレのし尿処理。休日、登山道沿いのトイレに数十メートルの順番待ちの列ができていた。「30分待ちですね」。山岳ガイドがため息をつく。