海外渡航中に新型インフルエンザに感染したことが判明した方々に対する過剰反応の一端が先日報道されていました。「帰ってくるな」とか「なんで旅行なんか行ったんだ」なんていう発言は,住民すべてを代表するものではないにしろ,冷静さとか理性的な判断とはおよそかけ離れたものです。個人的にまず考えたことは,これだけ容易に感染者の個人情報が漏れてしまうことが世間に知れ渡ったわけですから,今後は新規の発症者や国内感染例が周囲からのバッシングを恐れて隠れてしまうんじゃないだろうか,ということです。たとえば体調が悪くてもそれを他人に相談できず,そのまま職場に電車で出勤したり,学校に登校し続けるかもしれません。それはもちろん不適切な行動なんですが,対策を考えるのであればそれが悪いと責めるよりも,人間というのはある状況におかれた場合そうした行動を起こす,ということを前提にするほうが現実的です。 感染が隠されるような風