駅の男子トイレ。青や白のクールカラーで統一された広い空間に均等に並んだ陶器製のアサガオフラワー。それらはあまりにも未来的で宇宙的だ。例えば自分が1000年後の未来人であると仮定し、その本来の役目を知らないものとしてアサガオフラワーを見つめなおしてみる。胴囲の曲線にあわせた上辺部のアールや、両足を床面までストレスなく下ろせる下辺部両側のくぼみなどの形状から、彼がアサガオフラワーを「座席」として認識してもおかしくはない。 そう。それはまるで宇宙ロケットのコクピット。アサガオフラワーに整然と着席した宇宙飛行士らは、加速中、席を立つこともできず、空腹になればその場で食事もするし、尿意をもよおせばその場で放尿もするし、そして長い航海期間であることを考えれば大をももよおさないはずもなく、当然アサガオフラワーは大だって処理できる機能を持っていなければならない。そうでなければいけないのだ。 というような思