11年前の8月のちょうど今ごろ、前の飼い主に捨てられて外をうろついていたノラ猫を保護して家族にした。 それがおむすびだ。 おむすびが猫エイズを発症して天国へ旅立つまでの思い出は、私たちの宝物。 今でも、おむすびはずっと私たちと共にいる。 うちをホームに決めた猫 とにかく人懐こい猫だった。 食べ物をねだって、もらえるとわかると玄関に住み着いてしまった。 もう夏が来ようとしていた。 夕方会社から帰るとだいたいおむすびは、玄関の階段の上にちょこんと座って待っていた。 周りには蚊がブンブン飛び交っていた。 それを見るだけで、私は辛い気持ちになった。 ごはんをあげた後は、またひとしきり甘えてお腹を見せたり頭突きしたりした。 撫でてブラッシングして、さて家に入ろうと腰を上げると、おむすびはドアの前に立って通せんぼ。 そのおむすびを残して家に入るのもまた、ちょっと辛いものがあった。 押しかけ女房、家に押