山口揚平さんとは時折お話したり飲みに行ったりする間柄なのだが、彼の文章が多くの人の心をつかむのは、三つの理由があるように思える: ① メッセージは極めてシンプルだが本質的で核心をついている ② それを、直感的に理解できる、身の回りのシンプルな事例に例えるのが天才的に上手い ③ ファイナンス・金融という本来は「冷たい」「無味乾燥」なものに、パッションと人間愛のようなものを思い入れを持っている このたび、彼が書いた「生命保険は悲惨なギャンブル~ヤクザのばくち場は一番公平?」というエッセーが、ウェブ上で話題になっている(書かれた直後に、本ブログのコメント欄にもご本人から紹介の書き込みがありました)。それは、皆が何となく感じていた胡散臭さを、「賭博場」や「宝くじ」という誰しも理解できるアナロジーを用いて、スパッと切っているからである。 彼の文章の魅力がこのような直感・本質×表現力にあるとするならば