このところ思うところあって「記憶する心臓―ある心臓移植患者の手記(クレア・シルヴィア他)」(参照)を読み返した。訳書は一九九八年に発売されたもので、もう七年も前になる。その後読み継がれているふうもないので事実上絶版になったようだが、アマゾンの古書では安価に手に入る。文庫で復刻されるかもしれない。 話は、実記の体裁をとっているが奇譚と言っていいだろう。クレア・シルヴィアというユダヤ人中年女性が脳死の若い男性の心臓と肺を受けて同時移植手術を受けたところ、術後に、移植元の若い男性の性格が乗り移ったり、また睡眠中の夢のなかでその若者にあったり、その若者の記憶が乗り移ったりしたというのだ。通常、移植手術を受けた人はもとの脳死者の情報を得ることができないが、彼女は夢で知った若者の名前を手がかりに本人を突き止め、その家族に出会うことになる。 そんな話がありえるだろうか、臓器にそれ自身の記憶が宿り、移植手
Persepolis: The Story of a Childhood (Pantheon Graphic Novels) 作者: Marjane Satrapi出版社/メーカー: Pantheon発売日: 2004/06/01メディア: ペーパーバック クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見るPersepolis 2: The Story of a Return (Pantheon Graphic Novels) 作者: Marjane Satrapi出版社/メーカー: Pantheon発売日: 2005/08/02メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (2件) を見る パリ在住のイラン人イラストレーターの女性が、自分の子供時代を振り返った、グラフィックノベル。すごい話で、2冊とも真夜中までかけて一気に読んでしまった。 中東の歴史や政治って、教科書や本で読んでな
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