ブックマーク / anond.hatelabo.jp (13)

  • みかんとコーヒーとオトンの初恋(有村架純)

    「みさちゃんさ、みかんべる?」 寒い寒いと言いながら、三時のおやつでもべようかとリビングに降りてきた私に、キッチンから父がボソッと声をかけた。 「いや、みかんはいらん。寒い。暖房つけよう」 「エアコンなら、母さんが業者呼んで清掃してからじゃなきゃ使わん言ってたから、つけたら怒られるぞ」 はぁ?という顔をしている私に、いらんといったのが聞こえなかったのか、みかんを手渡しながら父が言う。 「なんで寒くなる前にやっとかんかったんだって話よな。そんなこと言ったら、怒られるから絶対言わんけど」 からからと笑う父。手に持つマグカップには湯気の立つコーヒー。テーブルに目をやると、みかんの皮が散乱している。 (この人……コーヒー飲みながらみかんってるんか) ソファの背もたれにかかっていたひざ掛けを腰に巻いて、リビングのテーブルにつく。渡されたみかんを揉みながら、 「わたしもコーヒー」 頼むより先に父

    みかんとコーヒーとオトンの初恋(有村架純)
  • 同人誌作ってたおばさんのとある反省文

    趣味でつながってる仲間に年齢差はない、みたいなこというの、ほんとやめてほしい。 それを信じていたせいで、ずっとイタイおばはんになってるのに気付かなかった。 私はアラフィフ、ハッキリ書くと54歳で、もう紛れもないババア。 30代40代のコが卑下してババアとかいうのとは違う、正真正銘、タテヨコ斜め前後左右どこから見ても完全なババアなんだけど、ちょっと前まで、20代30代の趣味を同じくする若い女の子達といっしょにごはんとかべたりしてた。自分から誘うこともあったし、グループLINEとかで参加を呼びかけてる飲み会とかイベント後の打ち上げに参加することもあった。 参加の方はまだしも、自分から若いコ誘うなんてイタイよねって今ならわかる。 でも去年くらいまで気付かなかったんだよね…。 趣味は、少年漫画二次創作ジャンプ系の漫画やアニメの二次小説とか漫画とかを書いて、pixivに投稿したりコミケとか赤ブ

    同人誌作ってたおばさんのとある反省文
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2020/10/05
    仕事の面でも、若い頃から目上に目をかけてもらっているとか、最初から年上に苦手意識が薄いタイプだけがちょっと配慮するだけで年齢を重ねても世代差を超えやすい人が多いと思う。そのへん苦手だと多分キツイ
  • お前はNPCか?プレイヤーか?

    この世界の魂の数は有限であり、輪廻を通じて循環している。 ときには昆虫であり、人間であるかもしれないが、地球の人口は可及的にに増加しているため、必然的に魂を持たない抜け殻が存在することになる。 まるでゲームのNPCのような存在であり、一見人間のように見えるが、人間らしく振る舞っているだけの存在だ。 ここでも一時期「腐女子だけど○○」という文章が流行ったが、あれはNPCの仕業だ。 NPCの振る舞いに多様性はなく、基的に人間のように振る舞うために社会のトレンドを追って、集団的思考を追随する。 藤井聡太だ!半沢だ!という中にもNPCが多数混ざっているが、中でもLGBT問題はこのNPCが引き起こしているものだ。 彼らは何を見てもLGBT問題に発展させ、群れで社会を動かすが、主体性は持たず、個人の意見というものもない。 日だといわゆるネトウヨもNPCだろうが、彼らは魂を持っていない。 お前に聞く

    お前はNPCか?プレイヤーか?
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2020/09/09
    それはそれとしてゆうべはお楽しみでしたねって言う宿屋の親父になりたい
  • モデルハウス奇譚

    最近はずいぶん蒸し暑いですね。 私は梅雨のない地域で生まれ育ったので、この季節特有の空気感に慣れるのにはまだまだ時間がかかりそうです。夏の間はいつも冷たい素麺や饂飩ばかりべているのでどんどん痩せていきます。軽くなった体で往来を歩いていると、蜃気楼の中に自分が溶け込んでいくようです。 目的地まではまだ距離があります。あまりに暑いので、途中で見つけたスーパーで冷たいお茶を買いました。あとは、お土産に西瓜も一玉買いました。 お茶を飲んだせいか、片手にぶら下げた西瓜が重いせいか、一歩足を進めるごとに全身から汗が噴き出てきます。もう夕暮れ時だというのに、気温はまだ高いままのようでした。 ふいに私の後ろからなまぬるい風が吹いて、石けんと汗が混じった自分の匂いがしました。私は夕焼けを背にして歩いていたので、目の前には自分の影が長く伸びていました。私はもうこれ以上歩けない気持ちになって、シャッターが閉ま

    モデルハウス奇譚
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2020/07/06
    俯瞰なのに、見下ろさずに見渡している感じが好き。坂の上に行った時もあんまり見下ろさずに、坂の上の世界をずっと語っていた
  • お弁当工場にて

    都会の列車はどこまで行っても高いビルの間をすり抜けるようにして走ります。清潔な摩天楼の小部屋の一つ一つには、きちんとした服を着た有能そうな人々が納められているのが見えます。そんな建物が無数にあって、そんな人々が無数にいることを想像すると気が遠くなってきます。 私によくなじんだ車窓からの眺めとは、駅と駅との長い間隔の間に広がるぼうぼうの木と原っぱ、そして遠くにときどき見える謎めいた工場のことです。 世の中には人間の種類を二分する様々な基準が存在しています。ある特徴を有しているかいないかでまるで違った人間になってしまうことがよくあります。ここでの特徴とは、身体的な特徴ではなく精神的なものです。 私は、工場で働いたことがあるか・ないかという基準をここに提唱したいと思います。 今、私の周りにいる人のほとんどは、工場で働いたことがないと言います。 比較的都会の比較的裕福な家庭に生まれ育ち、比較的高い

    お弁当工場にて
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2020/07/05
    明日のお昼ごはんと自分のお仕事についてけじめがつくなら、あとはなんだってかまわんと思うよ。(あとマスクして蒸気釜はマジで脱水危ない。いやそうじゃない)
  • 坂の上の家のはなし

    今住んでいるところには海も丘もあります。 私が子供の頃住んでいた場所には、そのどちらもありませんでした。 悲しいときに砂浜にしゃがみこんでじっとしていると、いつの間にか凪いだ気持ちになります。むしゃくしゃしているときに丘に登って街を見下ろすと、胸がすく思いがします。今はそうやって心を落ち着かせることができるのですが、昔このような環境を享受できていればどんなに良かったかと思わずにはいられません。 私の故郷の町は平べったくて、田んぼがどこまでもどこまでも続いていて、海ははるか遠く、電車に乗って数時間かかるところにありました。案内板を見ても、図書館で詳しい地図を調べてみても、この町には目立った起伏はないようでした。 犬を飼いたかったのですがそれは叶わなかったので、隣の家の犬とこっそり仲良くしていたら、その家のおじさんのご厚意で自由に散歩させてもらえることになり、起伏を探すための現地調査によく連れ

    坂の上の家のはなし
  • 今、Webでの検索力ってどうやって高めればいいんだ?

    ネットミームではなく、代替肉のような、あるテーマに沿って検索し、まとめたいとする。 検索ワードを探す。代替肉以外に、培養肉、クリーンミートなど類似ワードを揃え、検索式を作る。ノイズになっているキーワードもまとめる。日語と英語で検索するとする。日語、英語Wikipediaで概要をつかむOneNoteなどWebクリップ機能を使って、閲覧したサイトを保存しておく。企業名、関係者名、将来ロードマップ、市場規模、問題点などをまとめる。には宗教が関係するため企業を調べるときは国籍にも注意する。投資家、投資額を調べる。AmazonGoogleブックスで書籍が出ていないか調べる。著者名、参考文献をたどる。オープンアクセスの論文を探す。Google Scholar、Microsoft Academic Search、Dimensions.aiなどで論文を探す。研究を積極的にしている大学を探す。論文

    今、Webでの検索力ってどうやって高めればいいんだ?
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2020/07/04
    これはもう「気になったら図書館」。高3の受験知識じゃなく、大1の序論に触れる。あとは専門家の人が書いた本
  • 旅が終わる気がする

    私の故郷はとても寒い場所にあって、そこで大人になるまで暮らしていました。 事情があって町を出てから初めて、あぁ、私はここから当に離れたかったのだなと気がつきました。 一人暮らしを始めた日は大雨警報が出ていて、ラジオからは空港で足止めになった人がインタビューを受ける声が聞こえました。 これから暮らす知らない街は嫌がらせのように道が入り組んでいて、番地の順番はひどく不規則でした。土砂降りの中、散々迷ってほうほうのていでアパートに辿り着いたとき、私は全身ずぶ濡れで、まるで服のままシャワーを浴びたかのようでした。 電気がまだ通っていなかったので部屋の中は真っ暗でした。ドアを開けると、安くて古い家特有の匂いがして、一歩進むごとに床がぎしぎし鳴りました。アパートの廊下の灯りに照らされて、自分だけの部屋に一人佇む私のシルエットが浮かぶのが見えました。 それを見た瞬間、お腹の底からわーっと力強いエネルギ

    旅が終わる気がする
  • アメリカの技術力が高いのはなぜなんだ

    教育が上手くいっているわけではない。 優秀な移民を受け入れているのはわかるが、まったく違ったアプローチでもプロジェクトを進められるところが不思議で仕方ない。 日の大学も企業もだが、研究といっても、米国もしくは欧州で先行していて筋が良さそうな所にお金をつぎ込んできた。 ガートナーのハイプ曲線で話題になったところにお金をつぎこんだりする。 (既にメディアに出てきている時点で米国が先行しているわけだが) SpaceXがわかりやすいが、イーロンマスクお金を出したとしても、すぐに技術が生まれるわけではない。 メディアで話題にならないような周辺技術が揃った土壌があり、トライアルを数回繰り返したら成功している。 今までにない方法も承認が下りるのが不思議だ。 日お金を出せば技術力が復活する、とは思えないのだがどうだろうか。 分析能力が足りないのか、レポートを書く能力が足りないのか、承認ルートが悪い

    アメリカの技術力が高いのはなぜなんだ
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2020/06/19
    ビジネス意識の高低説を推す。マイクルクライトン曰く、アメリカでは金になるガン研究とかすごく進むけどそうじゃない分野が全然進まないとのこと。商才まで技術研究領域に含めるかどうかの差かな
  • ぴょまいらのパソコンで一番好きなソフトなあに

    ぽまえらの最近のパソコンの使い方で気に入ってるのなあに ほぼブラウザとメール? 昔はポストペットとか特打とか、いろいろ面白いソフトがあったんだぞ ヨドバシにいってきれいな風景画像のCD-ROMを買ったりしてたんだぞ

    ぴょまいらのパソコンで一番好きなソフトなあに
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2020/06/11
    3.1時代の提督の決断2かな
  • ハード技術者からみた米中日

    米中の技術競争に日はおいていかれているように、いち技術者からは見える。 どうして今のような状況になったのか、考えてみたい。 原因は1つではなく、複合的だろう。 設計ソフトが持てなかった日で半導体を開発しようとすると設計ソフト(Cadence, Synopsysなど)が必要だが、国産はもうないに等しい。 Webで働いている人からするとオープンソースで開発すれば、と思われるかもしれないが、あるにはあるが、実際の製造には使えない。 機能が全然足りていないのもそうだが、全部の設計工程用のソフトはない。 設計ソフトのライセンス料金が億単位でかかる。 製造原価やウェーハ代や人件費がかかるでしょと言われるが、ライセンス料金も開発費の中でかなりの割合を占めている。 Web業界だとOracleの値上げに苦しんでいたと思うが、あれと同じような状況だ。 中国はどうかというと、日と同様に設計ソフトは作れ

    ハード技術者からみた米中日
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2020/06/07
    最近の技術界隈を見るに、消費はできるけど投資できないバブル世代が時間を止め、今の中年はその対策で人生を終えると思ってる。どう作るかを議論しない人種がここまで事態を悪化させるとは俺も思ってなかったな
  • 情報処理技術者試験なんて何の役にも立ちません

    情報処理技術者試験の資格を取っても実質的に得るものはありません。「実質的に」というのは、技術者としてのスキル向上に貢献するということであり、「報奨金が貰える」とか「履歴書に書ける」などの技術と無関係なものを含まないということです。 なぜ、情報処理技術者試験が役に立たないのかと言えば、出題内容が表面的な知識問題に極端に偏っており、質的な理解を問うていないからです。たとえば、オブジェクト指向の三要素に「カプセル化」「継承」「ポリモルフィズム」がありますが、これらを御題目のように唱えていても何の意味もありません。しかし、情報処理技術者試験ではこれらの用語さえ覚えておけば、しっかり点になります。 オブジェクト指向におけるカプセル化を説明したものはどれか。 同じ性質をもつ複数のオブジェクトを抽象化して,整理すること 基底クラスの性質を派生クラスに受け継がせることクラス間に共通する性質を抽出し,基底

    情報処理技術者試験なんて何の役にも立ちません
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2020/05/26
    発達障害でもないし意識も高いポエマーって、技術職としては普通に良い人材だと思うんだが。。。はて。あと、新規と炎上は方法論の崩壊する世界だから、あくまでも基礎と応用は大事にね
  • 村上春樹的桃太郎

    昔、とは言ってもだいぶ昔のことなのだけれど、僕はある町(名前もない小さい町だ)にと二人で暮らしていた。 多くの夫婦がそうであるように、僕たちの間にもいささかの問題があった。 他人からしてみれば些細な問題かもしれないのだけれど、はよくそのことで自分自身を責め、彼女が来持つ良さを損なっていたと思う。それは2月に突然降る冷たい雨のように僕たちを苦しめた。 「あなたはどう思うの?私たちに子供がいないことについて」とが言った。そのとき僕たちはボンゴレ・ビアンコといんげんのサラダをべ終え向かい合って座っていた。テーブル越しのはなんだかいつもより疲れているように見えた。 「ねぇ、最初に言っておきたいんだけど」と僕は言った。 「僕は特に子供が好きじゃない。それに子供がいないことは夫婦の自由な選択の結果であって、君が苦しむべき問題じゃないと思う」 は頬杖をついて僕の方をじっと見つめ、(あるいは

    村上春樹的桃太郎
    tiri_tomato
    tiri_tomato 2013/12/13
    つまり君は、野生の村上春樹だって言うの?
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