病院にのみ身元を明かして出産する独自の「内密出産制度」を導入している慈恵病院(熊本市西区)は28日、「誰にも知られずに出産したい」と訴える臨月の女性を保護していると明らかにした。女性は身元を明かすことを拒否しており、「匿名出産になる可能性がある」という。 国内では内密・匿名出産ともに法制化されていないが、同病院は「母子の安全を優先し、匿名での出産を受け入れざるを得ないかもしれない」と判断。早急に体制を整える必要があるとして同日、熊本市に対応を求める要望書を提出した。内密・匿名出産となれば、同病院では初の事例。 病院スタッフが身元を明かすよう説得を続けているが、女性は一部しか語らないという。「2週間も身元を明かさないケースはこれまでになく、出生届の親の欄が空欄になる可能性がある。市には急いで対応してほしい」と蓮田健院長。市は「対応を検討して回答する」としている。 同病院は2019年、母親の情