遺体の状況をコンピューター診断撮影装置(CT)で撮影し、死因の究明に役立てる「死亡時画像病理診断」(Ai)が、広がりをみせている。国内では、警察が扱う変死体の解剖率が低く犯罪の見落としが懸念されており、解剖しなくても遺体の内部状況が一定範囲で分かるAiへの期待は大きい。死後CT画像の分析データ蓄積も始まったばかりで、課題も多いが「犯罪発見の一つのツールになれば」と専門家らは期待している。(森本充) 遺体のCT撮影では、外傷がない場合でも内臓損傷や骨折が見つかることがあり、静岡がんセンターの中島孝病理部長は「死因究明にひと役買う」と話す。 こうした試みは、法医学界では以前から散見的に行われてきたが、注目を集め始めたのはここ数年。千葉大法医学教室が平成18年からCT検診車を常駐させ、司法解剖する遺体の全例を撮影、解剖の精度を高める全国初の試みを始めた。 その後も広がり、態勢が整うのは、千葉大付