――過去のインタビューでたびたび答えていらっしゃる「頭の上の方から(キャラクターの行動や発言が書き込まれた)ファイルが届くのを待って、それを読み込んでいく」という執筆スタイルは、この作品でも変わらずでしたか? 渡辺あや(以下、渡辺) そうですね。脚本家としてデビューしたときからずっと、それは変わらないです。でも今回、キャラクターを造形していく過程では、プロデューサーの佐野亜裕美さんへの聞き取りによる部分が大きかったです。 テレビ局に存在する「うっすらと、すごく嫌」な空気 ――「テレビ局の裏側」の部分は、実際にテレビ局の社員として長年キャリアを積まれた佐野さんへの質問がそのまま「取材」になっていたんですね。 渡辺 そうなんです。そこはもう、佐野さんが生き証人なので(笑)。バラエティ番組の打ち合わせ風景について細かく教えてもらったり、実際に撮影を見学させてもらったりして、勉強になりました。 そ